Digital Curation Lab - デジタル・キュレーション・ラボ

海外のデジタル・メディア・イノベーション、ソーシャルメディア・トレンドの中から「面白い」「これ大事」と思えることを共有してみたいと思います☺

小林弘人氏&柳瀬博一氏新著出版記念トークイベント参加備忘録

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先日、小林弘人氏&柳瀬博一氏による新著『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』(晶文社)記念トークイベントに参加する機会を得ました。会場の雰囲気、トークイベントの内容、そしてそもそもの書籍それぞれがとても密度が濃い体験だったので忘れてしまう前に備忘録的に記録しておきたいと思います。


トークイベントの会場は下北沢にあるユニークな書店「B&B」。実は今回初訪問、以前から話題になってましたがこだわりのある本棚の様子、店内・トークイベントのゲストもビールが飲めるという斬新さ。毎日トークイベントなどが開催されていているとのこと、文化・アイディアの発信地という雰囲気で、お店に入るやいない素敵な空間の様子に魅了されました。

さて、本題の小林弘人さんと柳瀬博一さんの新著出版記念トークイベント。イベントの案内には以下のようにかかれていました。

小林弘人×柳瀬博一 「〈新・原始時代〉の歩き方」 『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』(晶文社)刊行記念 | Peatix

「ウェブやITが進化して、世界がフラットになったら人間の振る舞いは原始時代に戻った」そんな仮説のもとに、〈原始時代2.0〉におけるメディアの方法論、ビジネスモデル、ライフスタイルのあり方を説いた2人。 いままで常識・王道と思われていたことが、通用しなくなった時代に必要なのは、野生人の感覚と未来を編集する力。その双方を備えた2人が、メディア、ビジネス、組織論、ものづくりからサブカルまで、本書で言及しきれなかったさまざまなトピックについて全方位的に語る、ブレスト放談ライブ。

今回のイベントにどうしても参加したかったのは以下の写真右にある小林弘人さんによる『新世紀メディア論〜新聞・雑誌が死ぬ前に』を読み終えた時(今見たら読了日2009年9月14日と記載)に、「あぁきっとメディアは大きく変化する、誰もがメディアになりうる時代が来るんだろうなぁ」ということを強く認識したことがあり、今回の『インターネットが普及したら・・・』を読んで、その時を強く思い出したからです。

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そもそも今回の本の内容は『ウェブとSNSの発達で世界が「150人の村」になったらビジネスは、社会はどうなる?』ということを第一線で活躍される編集者の目線で世の中の森羅万象について解説するような内容でした。あたかも居酒屋でお話しているような構成で分かりやすい事例や表現で描かれているのですが、今回のトークイベントはまさに本の中での会話を再現したような、ライブ感覚溢れる内容でした。

とっさにiPadを取り出し、気になったキーワードや本のタイトルなどをメモしていたのですが、インターネットが広まる前のアメリカヒッピー文化の話から最近の注目トレンドまで、新鮮な情報満載のひと時でした。とっさの一言で今まで一つの情報としてしか認識されてなかったものが点と点として繋がり、線に、そして面になっていくような知的興奮が楽しかったです。狭い会場スペースに60名程が小さなイス座る構成で、舞台を見に来たかなような密度の濃い空間でした。


ちょっと気になったキーワードを抜き書きしてみますね。

▶ダンパー数
人が維持できる人間関係の数の理論的上限は100~230人だとする「ダンバー数」という説。英国の人類学者ロビン・ダンバーが 定式化したもので、「それぞれと安定した関係を維持できる個体数の認知的上限」は平均約150人(100-230人)とされる。

自分自身のFacebookの活用の仕方を振り返り反省しつつ、既に自分のキャパシティを超えてしまっている村に自分がいることを再認識させられました。150人を超える方とFacebookで「お友達」のご縁を頂いている一方で、Facebook、Twitterなどを活用してない方とのコミュニケーションが疎遠になってないか、というのは古くて新しい課題です☺

▶スチュアート・ブラントさんとヒッピーカルチャー
1960年代に盛んだったヒッピー・カルチャーの中心人物で生物学をスタンフォード大学で学び、進化論をポール・エリックから叩きこまれた人物。そこから生まれた『ホール・アース・カタログ』という雑誌の編集者。『ホール・アース・カタログ』は、スティーブ・ジョブズをはじめ、たくさんの人々に強い影響を与えた有名な雑誌。
[オンライン・コミュニティのWELL]、[ケビン・ケリー]、[クルートレインマニフェスト]
[グレイトフル・デッド]などなどのインターネット創世記のお話はとても刺激的でした。

原始人化
[ブルーボトルコーヒー] [鎌倉・逗子・葉山のコミュニティ][Etsyなどのシェア経済][有機栽培・週末農業などのライフスタイルの変化][裸足ランニング]
日本ではまだ話題になってないものの、サプライチェーンや健康志向でサプライチェーンにも配慮しているメキシカンチェーン、「チップトール(Chiptole)」のことも思い出されて頷くことが多いお話が多かったです☺

▶150人程度のニッチな村を起点にしたコンテンツ、メディア、ビジネス

「マスメディアからニッチメディアへのシフト」的なことはよく言われていることだと思います。印象的だったのは、書籍の中で小林さんが指摘されている以下のような点です。

コミュニティを組成することまでがメディアの役割』(p.74)
どこからがPRで、どこからがメディアで、どこからが広告で、どこからが競争なのか、境界が消えてそこでは全部融合しているわけ』(p.76)

同時に今までのようにメディア自体のアンバンドル化が進んでいて、雑誌を初めから終わりまで読むというよりも、ある人が書いたある記事が面白ければその記事一本で数万人、数十万人にリーチする可能性を持っている世界が出現していることに改めて気付かされます。

例えば書籍の中で紹介されていた『30代独身OL』や『40代妻子持ち課長』というようなラベル付された属性に対し、今までは特定の雑誌(そして広告主)がこうした「層」にリーチするために役割を果たしていたのかもしれません(広告主は広告費を払っていた)。ただ今日では例えば様々なジャンルの記事が混在しているcakes(ケイクス)だったり、特定の「アイデンティ」を持つ属性グループ向けのリスト型記事・クイズで爆発的な人気を誇る「BuzzFeed (バズフィード)」のようなオンラインニュース・エンタメサイトがそんな役割を果たしているのではないかと思います。

ただ、コミュニティというのはそんなに簡単に出来るものではないのではないか、また今までの伝統的な社会のしくみ、或いは大企業、既存の教育システムで学び、働いていることでこうした新しいタイプのコミュニティを運営をするスキルは果たして身につくのだろうか・・・そんなことが対談を伺いながら頭の中でモヤモヤと浮かんできました。 


*コミュニティマネージャーに関して質問してみました
原始人化が進み、それぞれの小さな村単位でコミュニティが構成される際、村長さん自身がデジタルツールを駆使してコミュニティを運営、維持、心地良いものにする必要性がました際、村長さんが必ずしも[コミュニティマネージャー]としてのオンライン上のコミュニケーション作法、或いはリテラシー、スキルを身につけていないことで悩ましい事態になることがあるのではないか。そんなことを後半Q&Aセッションで質問させて頂きました。

テンプレート化されたスキルなどを学ぶニーズよりも、きっとそのような適正を持った人が組織の中、コミュニティの中から現れてくるのではないか、或いは、そのようなコミュニティマネージャーを育成するのはなかなか難しい、という指摘を頂きました。が、一方で、そのようなスキルや人材を提供するサービス・企業は必要とされるのではないか、という回答も頂きました。

現在有志の仲間で運営している「コミュニティマネージャーズ・コミュニティ」というFacebook上のコミュニティはそんな意味で実験的な取り組みで、まだ方程式や正解がない中で、実践的な事例共有の場として、或いは同じ課題・悩みを持って人同士のサポートし合えるようなコミュニティになれば、と思いを新たにしました。

以前から考えていたことではあるのですが、以下のようなサイクルをいかに効果的に創ることが出来るかがとても大事になってきているのではないか、と感じます☺

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 まさにそんなテーマに関する米国Meetup海外事業責任者の方を囲むミートアップイベントを3/20に開催予定です。ちょっと宣伝も含めてリンクを。
 

ミートアップ With Meetup! | ニューヨーク発コミュニティプラットフォーム来日記念イベント開催(3/20) #Meetupjp | SocialCompany.org

という訳で、やや脱線してしまいましたが、ひとつのトークイベントに参加したことであらゆる事象に関するヒント、キーワードが溢れるように出てきて、またそれをトークイベントの中で丁寧に紡いでくださっているところが、編集のプロのお二人のなせる技であることを強く感じるひと時でした。メディア、広告、ビジネス、そしてこれからの社会、そして自分の周囲のコミュニティなどについて興味お持ちの方にとってはオススメの一冊だと思います。是非ご覧になってみてください☺

インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ

インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ

 

 

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に

 

 

海外と日本をつなぐ通行手形としてのリンクトインの可能性

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リンクトイン(Linkedin) -- 、世界最大のビジネス特化型SNSであり、先日の決算発表において世界の利用者が約3.5億人と報じられている今(特に海外で)話題のサービスです。

ただ、ちょうど一週間前に以下の記事を書いて以来、その可能性に強く可能性を感じつつも、周囲の友人・知人からは「日本ではまだまだ先」という声を詳細な理由とともに耳にするという日々が続いていました。


約3.5億人が利用する「リンクトイン」---プロフェッショナル同士の国際的な対話プラットフォームとしての可能性 | 市川裕康「デジタル・キュレーション」 | 現代ビジネス [講談社]

そんな最中、NewsPicks佐々木紀彦編集長による『リンクトインが、最強のビジネスメディアになる日』という骨太なタイトルによる記事が本日NewsPicksの中で掲載されていました。そのビジネスモデル、収益性、数多くの事例などを紹介しつつ、コンテンツパブリッシングプラットフォームとしての可能性を強く示唆した記事でした。


NewsPicks - リンクトインが、最強のビジネスメディアになる日

NewsPicks内でのコメントを見ると、やはり「まだまだ」という声が多いものの、可能性を言及するコメントもあり、とても興味深いです。

将来、リンクトインが日本人同士のネットワーキングツールとして欧米のように使われ、そこでコンテンツパブリッシングの場所として活発に日本語でブログが書かれるようになるかというと・・・私自身も正直それは時間がかかるのではないかと思ってます(現状Long Formのブログを書く機能は英語圏の国に限られ、約2億3千万人は誰でもが利用可能な状況に対し、日本においてはその機能はまだ提供されていません)。

ただ、グローバルなビジネスの舞台ではグローバルな言語としての英語でものごとが進むことが実際多く、こうしたコミュニティに参加していこうとする際、リンクトインというグローバルな「通行手形」が必要になる、というのは、既に「まだまだ」とか「まだ時間がかかりそう」という推測ではなく、既に必要になりつつある現実なのではないかと思います。

ここは会話の「切り分け」が必要なのではないか、と強く感じるところです。

例えば、ビジネスカンファレンスで知り合った人に対してとりあえずFacebookで友達申請をすることは日本においては一般的かもしれないものの、海外のカンファレンス参加後のやりとりに関しては基本「Linkedin First」でコミュニケーションを取ることが一般的とされているように思います。

何百人、何千人と集まるカンファレンスに参加する際、自分と同業の人、日本に進出することに興味が有るかもしれない潜在的なビジネス・パートナーに会おうと思った際、リンクトインの検索機能はとても効果的なツールとして機能します。

また、日本で仕事をしながらグローバルにビジネスを展開しようと思っている(或い海外に市場を求めることが必須となっている)企業、個人にとってみれば、3億5千人のビジネスプロフェッショナルが実名で、仕事に役立てようと参加しているリンクトインというツールは自分からアプローチする場合、そして受身的に見つけてもらう場所としても貴重なプラットフォームといえると思います。

自分なりのLinkedinの活用の仕方、海外で莫大なボリュームで毎日取り上げられているLinkedinの活用について、今後少しずつでも取り上げていきたいと思ってます。2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、リンクトインがもたらしてくれるであろうグローバルな会話のプラットフォームの可能性は本当に大切、と感じるからです。

[参照記事]


「次の次」のトレンドを読むために! テック、メディア、広告、イノベーションの未来を占う海外カンファレンス厳選50 | 市川裕康「デジタル・キュレーション」 | 現代ビジネス [講談社]

 

市川裕康: http://jp.linkedin.com/in/hiroyasuichikawa

Bussiness InsiderとMashableが同時追加調達〜オンラインニュースサイトへの投資は引き続き積極的

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photo credit: Business Insider

米国発のオンラインニュースサイト、Business Insider(ビジネスインサイダー)Mashable(マッシャブル)がそれぞれ2500万ドル、1700万ドルを同時に追加増資との報道がFinancial Timesで報じられてている。引き続きオンラインニュース・ジャーナリズムに対する期待が高まっている様子が伺えます。

Business Insider and Mashable raise more than $40m - FT.com (paywall) -

ファイナンシャル・タイムズによると、元ウォールトリートのアナリストであるヘンリー・ブロジェット氏により2007年に設立されたビジネス・インサイダーはドイツのメディアグループのAxel SpringerとアマゾンCEOのジェフ・ベゾスから合計2500万ドルを調達(ベゾス氏は過去に500万ドルを既に出資しており今回は追加出資)。

2005年にピート・カシュモア(Pet Cashmore)氏により設立されたMashableはより若い世代をターゲットにしたソーシャルメディア・ニュースサイトで、今回タイム・ワーナー社のベンチャー投資部門などを中心に1700万ドルの調達を実施。

それぞれのメディアサイトは売上情報などは開示していないものの、ビジネス・インサイダーの月間訪問者数は7000万人、Mashableは4200万人と引き続き多くのユーザーに閲覧されている(ちなみに昨年5000万ドルを名門VCアンドリーセン・ホロウィッツから調達したBuzzFeedは既に月間訪問者数が2億人を超えている)。

Bussiness Insider、Mashableは共に最近英国バージョンをスタートしており、Mashableはオーストラリア版も運営している。(*Business Insiderはその他にもインド、オーストラリア、マレーシア、シンガポールでも各国対応のサイトを運営している)。Mashableは調達した資金で今後グローバルに、特にアジアを中心に100名以上を採用し、ビデオやテクノロジーへの投資を進めていくとのこと。

他のオンラインニュースサイトの老舗、Gawkerも近日中に借り入れにより1500万ドルの調達を予定とのこと、オンラインニューススタートアップへの注目が引き続き集まりそうです。

*関連記事


BuzzFeed Nails the ‘Listicle’; What Happens Next? - WSJ

 

【過去Mashableに関してレポートした記事 〜2011年6月8日】


『毎日6万回「RT」されるソーシャルメディア情報サイト、Mashable(マッシャブル)』 | ソーシャルビジネス最前線 | 現代ビジネス [講談社]


【Mahsble、国連財団などが主催として毎年9月に開催されているソーシャルグッドサミット〜2014年9月30日】

ソーシャルグッドサミット、東京ミートアップを振り返って #2030Now | SocialCompany.org

メディアの今後を語る際のリトマス試験紙としてのバズフィード

 海外のデジタル・メディア論壇界隈の議論を見ているとその層の厚さに驚くことがあります。またそうしたやりとりの中で大きなトレンドがどのように業界で捉えられているかを知ることができます。


ニュースサイト「ギガオム」のライターであるマシュー・イングラム氏は『ニューヨーク・タイムズに対するニュース速報:あなたたちとバズフィードはそれほど変わらない』と題した記事で、昨年秋にニューヨーク・タイムズのアシスタント・マネージング・エディターに着任したばかりで、しかも今話題の読者開発(Audience Development)チーム23名を率いるAlexandra MacCallum氏による長文のインタビュー記事での発言を疑問視して警鈴を鳴らしています。例えば以下のような発言にMacCallum氏がどのようにバズフィードを捉えているかが映し出されています。
 

『The whole mission of BuzzFeed is to get people to share,” she said. “That is not the mission of The New York Times. The mission of The New York Times is about the best journalism in the world and giving people accurate, timely information. I don’t think that BuzzFeed is competing in that space. 
(彼女曰く、『バズフィードのミッションは記事を読んだ人にシェアをさせることです。それはニューヨーク・タイムズのミッションとは異なります。ニューヨーク・タイムズのミッションは世界最高のジャーナリズムを通じて正確でタイムリーな情報を提供することです。バズフィードはその分野において私たちの競合ではありません)』

引用:Inside the NY Times' audience development strategy - Digiday (1/14/2015)


News flash for the NYT: You and BuzzFeed aren’t that different — Tech News and Analysis

バズフィードはよくネコの画像や注目を惹くリスト形式の記事で若い世代に広く拡散されるバイラルメディアとして知られますが、一方で1年前には約300人ほどだったスタッフはいまやピューリッツァー賞受賞記者含むベテラン記者含め約1,000名の規模に拡大し、シリアやウクライナなどの紛争地を含む20カ国に100人以上の記者を擁し、 時価総額も1,000億円規模に成長している注目ニュース・エンターテイメントサイトです。

MacCallum氏は現在30代前半、実はハフィントン・ポスト創業時に参画しオンラインニュースサイトの経験も豊富に持っていて、ニューヨーク・タイムズには2年ほど前に転職、その後ビジネス面での事業プロデュースの業務に従事、クッキングアプリのリリースに携わるなど既に実績を持っている人物です。本来ならばデジタルメディア、ソーシャルメディアを活用した取り組みを積極的に推進することを期待されている立場のはずです。

もちろん150年以上の歴史のあるニューヨーク・タイムズにおいて各部門への配慮から上記のような発言がなされているのかもしれません。インタビューの中でもTwitter やFacebookを活用してソーシャルメディアでシェアされることを通じて記事をより多くの人に届けるよりは、15名のスタッフを配置してSEOアンバサダーとしてSEO対策に力を入れているなどの具体的な取り組みが紹介されています。

イングラム氏は、ニューヨークタイムズで2014年に読まれた記事が必ずしも全て真剣な社会課題を扱った調査報道記事だけではなく、スポーツ、社会、芸能ニュースをも含まれていることを指摘し、「ニューヨーク・タイムズとバズフィードがそれほど異なるものではないです」とも述べています。

文中、ニューヨーク大学教授であるジェイ・ローゼン氏のコメントを引用しながら、以下のような点を指摘しています。

『バズフィードに対してどのような発言をするかによってメディア業界の人たち(がどんな考え方をしているか)について多くを学ぶことが出来る』

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上記はウェブアクセス解析サービス「Similarweb」によるNew York TimesとBuzzFeedとの比較。こうして見ると、バズフィードの流入はソーシャルメディア経由が多く、ニューヨーク・タイムズがサイトへの直接の訪問、或いは検索中心であることが分かります。あくまで目安ではあるものの、月間訪問者数においても既にバズフィードのほうが優っていることが分かります。

海外(主に米国)でのデジタルメディア、ジャーナリズムの行方を占う際、こうした議論が毎日のようにやりとりされている状況があり、そんな中から次々とイノベーション、成功・失敗事例を作り出し、新しいメデイアのあり方が創りだされるように思います。

こうしたやりとりは純粋に刺激的であり、学ぶべき点も多くあるとと思ってます。ただこうした現場の声、議論が言語の問題もあり日本にタイムリーに伝わらないことはとてももったいないのでは、と最近強く思います。そんな背景もあり、今後こうしたテーマについて、日々少しずつでも今回のようにレポートすることで、そのギャップを埋めていきたいと思ってます。どうぞお付き合い頂ければ幸いです。